東京PCB処理事業所 解体撤去情報(2025年3月末現在)
東京PCB廃棄物処理施設は、2005年11月に操業を開始し、2023年3月末に計画的処理完了期限を迎えました。2023年度~2025年度の事業終了準備期間では、新規発見されたコンデンサー等の対象物を安全・確実に処理をしながら、事業終了後の本格解体撤去に向けた準備作業・工事を進めています。
JESCOは2021年11月「PCB廃棄物処理施設の解体撤去にあたっての基本方針」
を制定しました。東京PCB廃棄物処理施設の解体撤去は、この基本方針に従い、安全と環境を最優先で進めています。
【基本方針】
に従って、東京PCB処理事業部会の指導・助言を得て計画・実施し、環境安全委員会へ進捗状況を適宜ご報告して、ご意見をいただきながら進めています。
JESCOは2021年11月「PCB廃棄物処理施設の解体撤去にあたっての基本方針」

【基本方針】
- 周辺環境の保全の徹底
- 作業者の安全衛生の確保における万全な対応
- PCB を始めとする各種環境負荷物質への適切な対応

東京PCB廃棄物処理施設の解体撤去計画の概要
東京PCB処理事業所では、基本方針に則り、「東京PCB処理事業所PCB廃棄物処理施設の解体撤去計画の大要」(2022年10月制定、2025年3月改訂)
を策定し、解体撤去の基本的対応、対象となる機器・設備等の範囲、及び工事スケジュール等の概要を取りまとめました。
施設の配置、及び解体撤去の全体スケジュール概要は以下の通りです。


施設の配置、及び解体撤去の全体スケジュール概要は以下の通りです。

図.東京PCB廃棄物処理施設の配置図


図.解体撤去の全体スケジュール

プラント設備の解体撤去(2026年度~2029年度)
最初にPCB油の保管タンクや配管等の内部の洗浄等の作業を行います。
次に装置や機器に付着した高濃度PCB付着部位をPCB除去分別(「PCB除去分別」
参照)により解体作業者の作業環境に影響の無いPCB濃度レベル(プラント設備の解体工事着手基準
)まで低減します。
プラント設備の解体撤去工事は2026年度~2029年度の4年間で実施します。第1次解体撤去工事(2026年度~2027年度)として、PCB付着レベルが解体工事着手基準以下のPCB除去分別が不要な設備を撤去します。次に第2次解体撤去工事(2028年度~2029年度)として、残る設備についてPCB除去分別を終了後に解体撤去し、解体撤去期間中の解体撤去物の払出し量の平準化を図ります。プラント設備の解体撤去工事期間中は、これまでのPCB廃棄物の処理における操業時と同様に、換気及び排気設備を稼働し、建屋内において負圧管理下で実施して、操業時と同等の排出管理を行います。
なお、2023年度より事業終了準備期間が始まり、変圧器やコンデンサーの処理量が激減したことに伴って不要設備になった一部のプラント設備について、先行的に解体撤去を実施しています。
次に装置や機器に付着した高濃度PCB付着部位をPCB除去分別(「PCB除去分別」


プラント設備の解体撤去工事は2026年度~2029年度の4年間で実施します。第1次解体撤去工事(2026年度~2027年度)として、PCB付着レベルが解体工事着手基準以下のPCB除去分別が不要な設備を撤去します。次に第2次解体撤去工事(2028年度~2029年度)として、残る設備についてPCB除去分別を終了後に解体撤去し、解体撤去期間中の解体撤去物の払出し量の平準化を図ります。プラント設備の解体撤去工事期間中は、これまでのPCB廃棄物の処理における操業時と同様に、換気及び排気設備を稼働し、建屋内において負圧管理下で実施して、操業時と同等の排出管理を行います。
なお、2023年度より事業終了準備期間が始まり、変圧器やコンデンサーの処理量が激減したことに伴って不要設備になった一部のプラント設備について、先行的に解体撤去を実施しています。
建築物の解体撤去(2030年度~2032年度)
建築物の解体撤去工事は2031年度~2032年度に実施します。
建築物の解体撤去工事の着工までにPCB付着部位をPCBの除去分別(「PCB除去分別」
参照)により、解体撤去工事の際に周辺環境に影響を及ぼさないPCB付着レベル(建屋の解体工事着手基準
)まで低減します。建築物のPCB除去分別作業は、第1次PCB除去分別として、2026年度~2027年度上期に高濃度PCB取り扱いエリア(操業時、PCB管理区域レベル3のある区域)を対象に実施します。付着状況調査により高濃度PCB付着部位を特定し、研削・斫り等で除去分別し、既設の洗浄設備で処理します。第1次PCB除去分別は、建築物に高濃度PCB付着部位の残存がないことを除去確認調査により確認して終了となります。次に第2次PCB除去分別を2029年度より2030年度に実施します。プラント設備の解体撤去工事により空きスペースとなったエリアから建築物の付着状況調査を実施し、解体工事着手基準の超過箇所を特定し、研削・斫り等により除去分別し、無害化処理認定施設へ払出します。
換気及び排気設備は、建築物のPCB除去分別作業中は稼働させ、建屋内において負圧管理下で実施して、操業時と同等の排出管理を行い、PCB除去分別終了後に停止し、解体撤去工事を実施します。
建築物の解体撤去工事の着工までにPCB付着部位をPCBの除去分別(「PCB除去分別」


換気及び排気設備は、建築物のPCB除去分別作業中は稼働させ、建屋内において負圧管理下で実施して、操業時と同等の排出管理を行い、PCB除去分別終了後に停止し、解体撤去工事を実施します。
土壌調査・整地工事(2033年度)
建築物の解体撤去工事終了後に土壌調査を行い、整地工事を行って解体撤去を完了します。
解体撤去の状況
不要設備の先行解体撤去(事業終了準備期間2023年度~2026年度)
高濃度PCB処理プラント設備のうち、不要となったものについて、「東京PCB処理事業所不要設備に対する先行解体撤去工事の実施のための指針」(2022年10月制定、2025年3月改訂)
に基づき、先行解体撤去の対象として6設備を選定し、事業終了準備期間が始まる2023年度から2026年度上期の予定で先行的に解体撤去を進めています。



図.先行解体撤去設備の解体撤去全体スケジュール

- リン含有PCB油前処理設備(2024年3月解体撤去完了)
2023年12月に解体撤去工事を開始し、2024年3月に完了しました。 - 安定器等処理設備
2023年12月~2025年1月にPCB除去分別作業を実施しました。解体撤去工事は2025年6月より開始し、2026年2月に完了する予定です。 - コンデンサー解体設備、鉄心コイル破砕・分別設備
コンデンサー解体設備は、2024年4月より洗浄作業を開始し、2025年2月に終了しました。PCB除去分別作業は2025年1月より実施しています。
また、鉄心コイル破砕・分別設備はPCB付着状況調査を完了し、2025年1月よりPCB除去分別作業を実施しています。 - 廃粉末活性炭スラリー化設備
2024年6月~9月に洗浄作業を、11月~2025年1月にPCB除去分別作業を実施しました。解体撤去工事は2025年2月~4月に実施しました。
低濃度PCB処理施設(2024年3月解体撤去完了)
低濃度PCB処理施設は、都内の柱上変圧器に使用されていた極微量のPCBが混入した絶縁油(50mg/Kg程度以下)を無害化する施設として設置されました。2005年11月より処理を開始し、2013年6月に完了した後、プラント設備内部の洗浄を行って保管していました。
2023年9月よりプラント設備の解体撤去工事を開始し、2024年3月に完了しました。
なお、建屋の解体撤去については、2032年度~2032年度に建築物の本格解体撤去工事と合わせて実施する予定です。
2023年9月よりプラント設備の解体撤去工事を開始し、2024年3月に完了しました。
なお、建屋の解体撤去については、2032年度~2032年度に建築物の本格解体撤去工事と合わせて実施する予定です。
排出源モニタリング及び周辺環境モニタリング
「JESCO PCB廃棄物処理施設 解体撤去実施マニュアル 共通編」
、「同資料集」
及び「東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業に係る安全性と環境保全の確保に関する協定書」
に基づき、策定した「東京PCB処理事業所 PCB処理施設の解体撤去における排出源モニタリング及び周辺環境モニタリングに関する基本的対応」
に従い、解体撤去に係る作業、及び工事中の排出源モニタリング、及び環境モニタリングを実施しています。



